シェーカー教について

シェーカー教は1747年にクエーカー教から分裂したプロテスタントの一派。自分たちでは正式名称を「Believers of the Second Coming of Christ」と名乗っていたが、激しく身体を震わせる礼拝の様子から当初「Shaking Quakers」と呼ばれており、そこから「シェーカー(Shakers)」と呼ばれるようになりました。

シェーカー教における教義は、主に四原則である禁欲、財産の共有、罪の告解、そして俗世からの離脱に見ることができます。例えば禁欲に関しては、シェーカー教は今までの家族のあり方を批判的にとらえ、厳格な男女の非接触・独身主義を貫きつつ、男女で共同生活を行うなど特殊なコミュニティのあり方を実践しました。さらには、そのコミュニティや家族のあり方に対する考え方が、生活に溶け込んだ毎日の労働や礼拝と、そのために利用される道具や家具、建築における洗練された特有のデザインや技術へと展開しました。

シェーカー教の遺したデザインには、俗世から浮遊するように細い線で構成された家具や、回転機構を利用した発明品など、同時代に類を見ない彼らがつくりあげた生活のかたちを見ることができます。

参考:Stein, Stephen J. The Shaker Experience in America 1992, Yale University Press, pp3-10